ある日目覚めると、僕は「電球」になっていた。 過去の記憶も、手がかりもない。体を動かすことも、声を出すこともできない。できることといえば、少しばかり「電球」の光を操れるというだけ…… その部屋に住む少年「ライム」は、母親から虐待を受けていた。父親の自殺以来、教育熱心がエスカレートして暴力にまで至ったという。 「電球」となった僕は、光を動かすだけで、少年とコミュニケーションを取り、彼を救うことができるのか。そして、「電球」となってしまった謎を解き明かすことができるのか。